執筆者@kawajiro33
当たり前ですが洋服には生地が使われています。
ファッションは生地の使い分けによってスタイリングの雰囲気を左右する大切な要素であり
正しい生地の知識を身につけることにより大切な洋服を長く着用することができます。
ファッションの流行は常に移り変わり、次々に新しいブランドやトレンドが生まれています。
しかし、どんなに流行が変化しようとも洋服を生み出すために必要な生地の種類が増えている訳ではありません。
一度着用した服は着ないようなよっぽどのお金持ちでない限り、着用した服はクリーニングに出したり自宅で洗濯をしてアイロンをかけたりしていると思います。
せっかく買った洋服は長く大切に着たいものですよね。
しかし、中には
生地の正しいケア方法や特性を理解していなかったばっかりに、大切な洋服をダメにしてしまったという方は少なくないのではないでしょうか。
洋服に使用される代表的な生地の特性を熟知することは、ファッションを愛する人にとって必要不可欠な基礎知識言えます。
代表的な生地
生地は大きく分けると天然繊維と化学繊維があります。
全てではありませんが、特に多く利用されるメジャーな生地が下記の通りです。
天然繊維
- 綿(コットン)
- 麻(リネン)
- 毛(ウール)
- 絹(シルク)
化学繊維
- ポリエステル
- ナイロン
- アクリル
天然繊維
綿(コットン)の特性
メリット
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吸湿性に優れている
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肌触りが良い
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静電気が発生しにくい
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強度が高い
デメリット
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シワになりやすい
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洗濯により縮みが生じる
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可燃性がある
最もメジャーな生地である綿は、実に世界の繊維生産量の約40%を占めており、世界の80カ国以上の国々で栽培される植物から採取することができる繊維を元に生成される生地です。
近年では環境問題や人体被害を考慮し、一切合成化学肥料を使用せずに栽培された「オーガニックコットン」に注目が集まっている。
麻(リネン)の特性
メリット
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吸湿性に優れている
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放湿性に優れている
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清涼感のある生地感
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自然本来の生地感を楽しめる
デメリット
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シワになりやすい
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敏感肌の方はチクチクしてしまう
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均一に染まりにくい
麻は夏を代表する生地であり、天然繊維だからこそ生み出すことのできる表情豊かな凹凸のある素材感が売りの生地です。
繊維の中で最もシワになりやすい生地です。本来シワはアイロンでとり除くものではありますが、麻の場合は使い込むほどにシワが増えることにより生地の特性でクタッとした独特の素材感となるため
開放感のあるリラックスした印象を与えることができる素材です。
毛(ウール)の特性
メリット
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保温性に優れている
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汗によるベタつき不快感が少ない
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シワになりにくい
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燃えにくい繊維である
デメリット
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毛玉ができやすい
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水洗い不可のものが多い
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虫食いによる穴あき
保温性に優れた繊維で冬に最も多く用いられる。
「ウール」「毛」と表記されるものは羊の毛を加工したもののことを指します。羊以外にもカシミヤ、アンゴラ、アルパカなど動物の毛を利用した生地は多く存在しますが、その他生地は羊毛に比べて市場での流通の割合が少ないため、ひとくくりに「獣毛」と呼ばれます。
絹(シルク)の特性
メリット
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軽く、しなやかなで上品な質感
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気品のある光沢感
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肌のストレスが少ない
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染めやすく様々な色をつけることができる
デメリット
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金額が高い
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デリケートな素材のため摩擦に弱い
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色落ち、色移りする場合がある
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紫外線により変色する場合がある
絹は蚕の繭を原料としており一度に大量生産が難しく、大変貴重なため高級素材とされています。
非常にデリケートな素材なためシワになりやすくケアが難しいため、衣類に用いられる場合は少なく、ストールやネクタイ、ポケットチーフなどの小物類に用いられることが多い。
化学繊維
ポレエステルの特性
メリット
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極めて強度の強い繊維
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速乾性に優れている
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シワになりにくく型崩れしにくい
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美しい光沢感がある
デメリット
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静電気を帯びやすい
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天然繊維に比べ火に弱い(タバコなどで穴が開く)
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アイロンの際には当て布が必要(テカリ対策)
人工的に生み出された合成繊維の中で、世界中で最も流通しているのがポリエステルです。
イギリスにて1950年に石油を原料とし生み出されたポリエステルは、天候の変化などに大きく生産量が左右される天然繊維とは違い、人工的に安定して大量に生産することができます。
ナイロンの特性
メリット
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非常に軽い
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速乾性に優れている
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弾力がありシワになりにくい
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強度が高い
デメリット
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熱に弱く摩擦により溶ける場合がある
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静電気を帯びやすい
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長時間紫外線に当てると強度が低下する
スポーツウェアなどに多く用いられるナイロンは石炭を元に開発された素材です。
現代においては、技術の進歩もあり暴風、防水でありながら体から発せられる水蒸気を外に発散するなどのハイスペックな性能を備えた生地も生み出されてきています。
アクリルの特性
メリット
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ウールのような高い保温能力
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虫食いの被害を受けない
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染色堅牢度が高く染めやすい
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ウールに比べて安価
デメリット
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ウールよりも毛玉ができやすい
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生地が伸びやすい
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風合いはウールに劣る
ウールに似せた合成繊維として開発され、高い生産性と染色のしやすさゆえに非常にカラフルな色使いを可能にすることが可能となりました。
安価で買いやすい反面で、摩擦により生まれる毛玉がウールよりも発生しやすく消耗スピードが早いとされています。
執筆者 @kawajiro33