アウトドアに欠かすことができないバックパックを40年の長きに渡り作り続け、今尚、世界から愛されるGREGORY(グレゴリー)
使用者のニーズに合わせ、数々の革新的な名作がリリースされている中で
「1日分の旅の荷物を持ち運ぶのにちょうどいい」ことからその名が付けられた「DAY PACK(デイパック)は1977年の誕生以来、長きに渡り愛され続ける名作です。
グレゴリーのデイパックに限らず、一般的にバックパックのことをデイパックという呼び方がされますが、この名称はグレゴリーのデイパックが広めたと言われています。
40年経った今でも愛されるグレゴリーのデイパックを余すことなく解説していきたいと思います。
グレゴリーが生んだ名作デイパック
アウトドアバックメーカーとして常に世界の第一線で新製品を作り続けるグレゴリーも
名作であるデイパックの存在がなければ現在のようなに業績を伸ばすことはできなかったかも知れません。
デイパックの最大の魅力はアウトドアシーンのみならず、通勤通学から日帰りのハイキングまで、あらゆる場面で活躍する「ちょうど良いサイズ感」です。
アウトドアシーン以外からの需要を獲得することができたデイパックに追い風となるように、70年代にはアウトドアウェアを街着として着用するヘビィーブーティーブームや90年代のアウトドアとストリートをミックスさせたスタイルなどが流行することとなり、デイパックはその時代時代を象徴するバックパックとして愛され続けています。
それはもっとも身近なバックパックとして、多くの人々にとって欠かせない存在となりました。
デイパックの機能を徹底解剖
デイパックにはアウトドアバックメーカーらしく、使用者の使いやすさを向上させるために施された機能が多く凝縮されています。
頑丈で使い易い使用者のニーズに答えるための機能を一つずつ徹底解剖していきます。
考え抜かれたポケットディティール
デイパックのシンボルともなっている斜めに付けられたフロントのポケットは、単にデザイン性を上げるためではなく、物の出し入れをしやすくするためのディティールです。
また、デイパックも日々時代に合わせ進化を遂げており、現行のモデルには、都会的な使用者のニーズに答えるべく、PCスリーブや小物を収めるためのジッパー付きメッシュポケットが新設されており、より使い易いように進化しています。
昔から変わらない太めのジップ
創業者であるウェイン・グレゴリーが考案したジップの引き手レザープルから、現在はロープへ変更されているものの
使用しているジップは、昔から変わらない丈夫で知られるYKK社の太めの10番を採用しています。
太めのジップを使用する理由は、グローブを付けた状態でも容易にバックパックの開閉をしやすくするためのディティールです。
フィット感を高めるウィング・ウエストベルト
ショルダーストラップと本体の連結部には「ウィング」というパーツがかませられています。
着目して見られることが少ないディティールですが、このウィングがあることにより、バックパックが体にかまみつくようなフィット感を得ることができるため非常に重要なディティールです。
また、バックパックを背負いアクティブな運動を行う際に使用するウエストベルトを標準装備することにより抜群の安定感を実現させています。
耐摩擦性に優れた素材を使用
デイパックで使用される素材には、昔から登山用バックパックに使用されている
420デニールのナイロンが採用されています。
現代のハイスペックな素材とまではいきませんが、その生地感はクラシカルな表情で人気があり、ハリコシのあるタフネスな素材でもあり耐摩擦性に優れており非常に頑丈な生地のため物持ちもよく、10年以上愛用するユーザーもいるほどです。
負担を軽減するショルダーストラップ
バックパックの荷重を支えるショルダーストラップはデイパックの命といっても過言ではありません。
人体に自然にフィットするように計算された曲線的なカーブを描くショルダーストラップはどんな体型の方にも使い勝手の良い設計となっています。
荷重のかかる肩周りには、クッション性に優れたEVAが内側に封入されており使用者への負担を最小限に抑えるための工夫がされています。
時代と共に変化したブランドロゴ
グレゴリーのことを知るためにはブランドロゴを学ぶと良いでしょう。
40年の間にグレゴリーは6回のブランドロゴの変更をおこなっており、ロゴを見れば一目でいつ製造されたものなのかが一目瞭然となり、グレゴリーのバックを見る際のもう一つの楽しみとなると思います。
1:ファーストタグ
1977年の創業当時のロゴデザインです。
40年目にデザインされたものとは思えないほど洗練されたロゴが今でも人気があります。
近年ではブランド生誕40周年を記念して当時のファーストタグを使用したデイパックが復刻したことでも話題を集めました。
2:茶タグ
ファーストタグに変わり1983年に採用された2代目ブランドロゴ通称「茶タグ」は1990年まで使用されていました。
デザイン自体はファーストタグがベースになっていますが、山を彷彿とさせるグラデーションカラーが特徴のブランドロゴです。
3:紫タグ
3代目として採用された通称「紫タグ」は以前の茶色をベースとしたカラーリングとは正反対の色あざやかな紫で試作されたブランドロゴです。
紫タグは、わずか3年間の短い間しか製造されておらず、希少価値が高く古着市場では高額な取引がおこなわれる場合も少なくありません。
4:青文字タグ
1993年から1996年の間に採用されていた「青文字タグ」
今までのグレゴリーのロゴデザインから一変して流れるような躍動感のあるロゴへと生まれ変わりました。
青文字タグを境に、それ以降のブランドロゴは「旧ロゴ」と位置づけられるようになりました。
5:シルバータグ
1997年から2015年まで採用された通称「シルバータグ」
デザイン、フォント共に変更はないがシルバーを基調ちしたシンプルで落ち着いたな配色となっています。
実はシルバータグはマイナーチェンジを2001年と2005年におこなっておりシルバーの色調に微妙に変化が見られます。
6:現行ロゴ
現在のグレゴリーのロゴは旧ロゴを彷彿とさせる角ばったデザインながらも、現代的な洗練された形へとアップデートされました。
今後も革新的なものづくりをするアウトドアバックメーカーとして注目が離せません。